バルタン星人の分身術、特撮の青春時代 中野稔さん追悼

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編集委員・石飛徳樹
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 「ウルトラQ」「ウルトラマン」に始まる円谷プロダクションの特撮番組は、放送開始から半世紀以上経つ今も全く色あせていない。4日に82歳で亡くなった中野稔さんは、視覚効果技師として、様々な映像の合成によって現実にはない世界を生み出し、CGに慣れた若い世代をも虜(とりこ)にしてきた。

 「ウルトラ」の立役者は大勢いる。深い主題を盛り込んだ金城哲夫ら脚本家たち。斬新な映像に仕立てた実相寺昭雄ら監督たち。芸術的な怪獣をデザインした成田亨とそれを形にした高山良策。時に不気味に、時に勇ましく感情を揺さぶった宮内國郎ら音楽家たち。

 しかし、円谷英二が率いる特撮チームがいなければ、この企画自体が始まらなかった。ドロッとした渦巻き模様が文字に変化していく「ウルトラQ」のタイトルや、分身の術を駆使するバルタン星人、ウルトラマンの手から発射されるスペシウム光線……。一度見れば忘れられない映像のオンパレードだ。

 「Q」に参加した時、中野さんは20代後半。彼より上の世代は映画界からやって来た。中野さんや特技監督の佐川和夫さんら「ウルトラ」で一本立ちした特撮スタッフは、学生時代から前身の円谷特技研究所に出入りしていた円谷生え抜きだった。

 「ウルトラ」を企画したのは…

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