市民が祝賀拒否、喪正月のミャンマー 「祭りは中止を」

バンコク=福山亜希
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 クーデターで国軍が権力を握ったミャンマーは13日から、「ティンジャン」と呼ばれる正月の休みに入った。例年は水掛け祭りなどが行われ、市民らが盛大に祝うが、今年は弾圧を続ける国軍に抗議し、市民らはお祝いの行事をボイコットしている。

 今年の正月休みは19日まで続く。最大都市ヤンゴンでは、例年なら大通りを人々が埋め尽くし、大音量の音楽をかけて踊りながら、だれかれ構わず水を掛け合う。だが、今年は人通りもまばらだ。

 国軍の武力弾圧に抗議する市民らが4月上旬からボイコットを呼びかけた。ロイター通信によるとヤンゴンでは、犠牲者の遺族を思いやるためにボイコットを、と主張するチラシが配られた。現地の人権団体「政治犯支援協会」の調べではクーデター以降、12日までに710人の市民が殺害された。

 ヤンゴンの建設会社員ウィンアウンさん(40)は朝日新聞助手に「水掛け祭りのない4月など想像もできなかったが、絶対に祝わない。去年は新型コロナウイルスで不安な正月を過ごしたが、大勢が殺された今年は悲しい正月になってしまった」と語った。

 教員のミヤットさん(26)は「流された血を思えば、祭りは中止にすべきだし、軍独裁下で祝う気にはなれない。来年はコロナと国軍の両方から、私たちが解放されていることを願うばかり」と話した。

 ティンジャンで水を掛け合うのは、旧年の汚れを落とす意味などがあるとされる。昨年はコロナの感染防止のために中止され、がらんとしたヤンゴン中心部を撮影した写真などがSNSで拡散していた。

 一方、国軍側に拘束されたアウンサンスーチー氏が12日までに、新たに自然災害管理法違反の疑いで訴追された。AFP通信などが伝えた。スーチー氏に対する訴追は6件目となる。(バンコク=福山亜希)