たったひとりだけの聴衆に コロナ禍で1:1コンサート

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紙谷あかり
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 音楽家と聴き手が、2メートルの距離を挟み、1対1で向かい合う。そんな変わったコンサートの形式がある。ドイツで広まった「1:1(ワントゥーワン)コンサート」。3月に京都でも開かれた。緊張とぜいたく感の入り交じるひとときを記者も味わってみた。

 案内されたのは、ホテルのような部屋。ベッドの前にチェロを構えて座る男性が待っていた。2メートル離れて、男性に向き合うように置かれたいす。黙って座った。静かに見つめ合うこと1分。男性は、どこか悲しげな旋律を奏で始めた。

 事前にスタッフからこう言われていた。コンサート中はしゃべってはいけない▽拍手しない▽演奏前後には演奏者とアイコンタクトをする――。誰がどんな楽器で何を演奏するかは知らされない。音楽家が実際に観客を前にして何を演奏するか決めるのだという。

 深呼吸してから部屋に入ったものの、緊張して何度もまばたきしてしまった。それが涙目に見えて、悲しげな曲になったのかもしれない。

 3曲目は、聞き覚えのあるメ…

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