次の電柱目指して走る #コロナを生きる言葉集

新型コロナウイルス

佐々波幸子

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 マラソンと同じさ 遥(はる)かゴールまで次の電柱目指して走る(救命救急医、歌人・犬養楓〈かえで〉さん)

#コロナを生きる言葉集

 大阪府内の病院で救命救急医として働く犬養楓さん(34)は、昨年暮れにこの短歌を詠んだ。新型コロナウイルスの感染者が急増し、「第3波」の渦中にいたころだ。

 何度もやってくる波。終わりの見えない闘いの中で、困難を乗り越える力となる言葉を探したとき、幼い頃に母から教わったマラソンのたとえが心に浮かんだという。「コロナに限らず困難に直面したとき、いつもこの言葉を思い出し、少しずつでも前に進む原動力となってきました」と犬養さんは振り返る。

 「大きな第3波を超える波などもうない」と思っていた矢先、さらに大きな波が目の前に現れた。4月7日、大阪府は「医療非常事態」を宣言、15日現在、府が確保している重症病床の使用率は実質的に100%を超えている。「自分にできるのは、目の前の患者さんを治療して良い状態にして、ベッドを空けていくこと」。今も、この歌を胸に日々診療にあたっている。

 方法論はそれぞれ違っても、「コロナ収束」というゴールはみな一緒だ。ゴールテープはまだはるか先のように思えるが、一人ひとりが身近な目標に対して一歩一歩進んでいくしかゴールにたどり着く方法はない、と考えている。

 この歌を含め、一昨年暮れから今年の年明けまで、コロナ禍で詠んだ240首を歌集「前線」(書肆侃侃房)にまとめた。「短歌を通してあともう一踏ん張り、一緒に頑張ろうというメッセージを送りたい」(佐々波幸子)

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 誰もが経験したことのない日々が続いています。様々な立場、場面の言葉を集めます。明日に向かうための「#コロナを生きる言葉集」。

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