大阪、重症センターすら「ベッドはあるがソフトがない」

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堀之内健史 長富由希子
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 新型コロナウイルスの感染が急拡大する大阪府で、重症病床の使用率が実質的に100%を超えている。重症患者の転院先が見つからず、軽症・中等症病床で治療している現場からは、医療崩壊への懸念の声が上がる。看護師が足りず、病床をすぐには増やせない実情もある。

 大阪府が確保する重症病床(224床)に入院中の患者は13日発表時点で213人。だが、重症化しても軽症・中等症病床で治療を受け続けている20人を加えた重症患者は計233人になり、確保病床数を実質的に超えている。

 重症病床の逼迫(ひっぱく)を受け、大阪府は、中等症患者を受け入れている規模の大きい24病院に対し、患者が重症化しても2人程度までは治療を続けることを要請している。

 「要請があってもなくても、診ざるをえないので同じこと」。要請を受けた大阪市内の病院の担当者は言う。この病院では20床を軽症・中等症向けに運用しているが、重症化した患者の転院を断られるケースが出ている。コロナ患者用に使っている3床のICU(集中治療室)も埋まっている。「ICUが埋まり、転院もできなくなれば、どうしようもない。ワクチン接種も始まり、人繰りもかなり厳しいが、できる治療をするしかない」

 中等症向けの17床がある大阪暁明館病院(大阪市此花区)では、9日に重症化した患者1人の転院先が13日まで見つからなかった。重症患者は看護師の手がかかるため、中等症の新規の患者の受け入れを停止せざるをえなくなったという。運営する社会福祉法人の担当者は「重症者が転院できなければ、救えるはずの命が救えないかもしれない。人手をとられて中等症の患者も診られなくなり、医療が崩壊する」と話す。(堀之内健史)

看護師足りない重症センター

 患者の入れる重症病床が足りない背景には、看護師の大幅な不足もある。せっかく重症病床を設置しても、運用できていない。想定を超える感染拡大に備えて昨年12月に稼働した「大阪コロナ重症センター」(大阪市住吉区)すら、機能を発揮し切れていないのが実情だ。

 重症センターは、大阪急性期・総合医療センターの敷地内にあり、プレハブ施設内に人工呼吸器を配備した30の重症病床がある。しかし、今月14日時点で患者が入院できるのは16床。30床の稼働には看護師120人が必要だが、同日時点で72人しかいないためだ。「ベッドなどのハードはあるが、ソフトがない」と府の担当者は話す。

 同センターでは、当初から看…

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