福島県知事、処理水放出にだんまり 県民から不満の声も

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笠井哲也、力丸祥子
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 政府が13日に東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出方針を決定しても、福島県の内堀雅雄知事のだんまりが続いている。何ごとにも慎重で堅実な「内堀流」を象徴するが、近隣の知事は即座に慎重な対応を国に求めており、発信の遅れが際立っている。

 県は14日、関係部局長会議を開き、政府方針にどう対応するか協議を始めた。各部で方針内容を精査し、今後、早急に意見をまとめるという。会議は冒頭を除いて非公開。約15分の会議後、内堀氏は前日と同じような発言を記者団に繰り返した。「県としての意見をとりまとめたうえで、改めて説明する」

 これまで内堀氏は、海洋放出の政府方針が報じられても、議会や記者会見で意見を明らかにしてこなかった。方針決定前の12日の会見では、「処理水の問題については、まだ具体的に言及する段階にはない」。記者が「方針の決定後に意見しても遅いのでは」と問うと、「ご意見として承る」とかわした。

 内堀氏の考えは「政府の方向性が出るのであれば、それに対し、県としての考え方を明確に申し上げる」(昨年9月の会見)と一貫する。13日に岩手、宮城両県知事が「国民の理解が得られていない」などと懸念を示したのとは対照的だ。

県民からは不満の声も

 県内世論の大勢が海洋放出の慎重論に傾く一方、処理水のタンクが林立する大熊、双葉両町などは早期処分を求めており、「複雑な県民世論に配慮している」(自民県連幹部)との見方がある。ただ、煮え切らない態度には「処理水で県が主体でやっていることは何もない」(いわき市の漁師)、「総務省出身で国の方針に何も批判的なことを言わない」(県議)といった不満も広がる。

 朝日新聞などの県民世論調査

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