松山市の聖火リレー中止 城山公園で「点火セレモニー」

照井琢見、亀岡龍太、天野光一
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 東京五輪聖火リレーは、21~22日に愛媛県内全20市町を走る予定だったが、直前に県内で新型コロナウイルスの感染が拡大。県実行委員会(会長・中村時広知事)は14日、大会組織委員会に申し入れ、松山市内でのリレー中止が決まった。

 松山市のルートは、21日夕に道後温泉を出発し、市中心部を通り、松山城の城山公園に到着するもの。中村知事は14日の会見で「松山市では、市中感染がまん延しているという前提で対応せざるを得ない。公道で実施するのはリスクが高いと判断した」と説明した。

 松山市では3月下旬、複数の飲食店で大規模なクラスター(感染者集団)が発生。県は4月8日に、警戒レベルを「感染対策期」に引き上げ、松山市民に21日まで不要不急の外出自粛を求めている。

 城山公園での聖火到着式は、一般客の観覧を取りやめて実施する。ステージイベントは見送り、市内を走る予定だった27人のランナーを招いて「点火セレモニー」をする方針。

 県実行委によると、セレモニーは午後6時15分ごろから、ランナーがトーチを合わせる「トーチキス」で聖火をつなぎ、聖火皿に点火する形式を想定しているという。

 中止決定を受け、松山市の野志克仁市長は「大変残念だが、やむを得ない見直しだ」と述べ、市民に対して、テレビやインターネットの中継で、リレーを見守るよう呼びかけた。

 スポーツクライミング競技の大政涼さん(18)は、松山市の公募ランナーとして走る予定だった。「東京五輪に何らかの形でかかわりたくて、地元の聖火リレーの公募に手を挙げた。トーチを手に中心部をゆっくりと走ろうと楽しみにしていたので、残念ですが、コロナ禍なので仕方ない。到着式に参加できるだけでも光栄です」と語った。

 東京五輪は「力不足」で出場を逃したが、国体少年男子で優勝するなどの実績を重ね、成長株として期待される。「聖火リレーが中止になった悔しさをバネに、3年後のパリ五輪を目指したい」と前を向いた。

 アテネ・北京五輪マラソン出場の土佐礼子さん(44)は、松山市の1区間を一斉に走る「グループランナー」として参加予定だった。所属会社を通じ、「中止の判断はやむを得ないと感じています。聖火到着式に参加し、五輪・パラリンピックに携われるのは幸せなことで、感謝いたします。聖火が希望の光となることを願っております」とコメントした。(照井琢見、亀岡龍太、天野光一)