認知症の人からの「助言」 家族の会がガイド本

北村有樹子
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 認知症の人の言葉に触れて知識を深め、サポートに役立てて欲しいと、公益社団法人「認知症の人と家族の会」(本部・京都市上京区)が、ガイド本を作った。「認知症になっても働きたい気持ちや、やりたいことがまだまだある」と話す認知症の人の心情や暮らしぶり、介護する家族の様子をまとめている。

 冊子「認知症の人と家族の思いをより深く知りたいあなたへ」(全32ページ)は昨年末に完成。全国各地で暮らす69人の軽度・中等度の人から直接聞き取った「本人の声」を紹介している。

 診断を受けた立場から、あらかじめ知っておいて欲しいこととして「家族とは終活や財産の話をしておく」「正しい知識を持ち、早めに受診する」ことを挙げた。診断を受けた時の心構えは「考えすぎず、自分の可能性を信じる」「他の人に頼る」。周囲の人に対しては、認知症の人に話しかけるときには「ゆっくり、優しく、声の大きさは静かに」を心がけてほしいと助言している。

 診断の前後で生活を比べると、移動や交流に困るようになったと答えた人が目立つ。運転免許の返納や、周囲の反対で外出できず他者とのつきあいが減っている実態も浮かび上がった。

 家族は仕事と介護の両立に悩みを抱えていた。65歳未満の介護者の43%が「悩んだことがある」と回答。「不安感などの症状に対応し仕事を休んだり遅刻したりすることがある」「介護事業者との調整のために仕事中に連絡があった」などの声が寄せられた。

 病気に関する説明や初期症状のチェックリスト、相談窓口も記されている。同会は3万部を作製し、希望者には無料で郵送する。家族の会のホームページ(https://www.alzheimer.or.jp/?p=37271別ウインドウで開きます)から申し込む。ダウンロードもできる。(北村有樹子)