白票呼びかけると刑事罰 香港政府、条例改変案を提出

広州=奥寺淳
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 香港政府は14日、中国の全国人民代表大会(全人代)が民主派を実質的に排除する選挙制度改変案を決定したことを受け、改変案を具体化した条例改正案を立法会(議会)に提出した。有権者に白票投票や、投票のボイコットを求めると刑事罰が科せられるようになるなど、当局による監視が強まるのは確実だ。

 条例改正案は、中国側が主導して決めた親中派に有利な選挙制度を香港で制度化するためのもの。立法会は、政府が昨秋に民主派議員4人の資格を剝奪(はくだつ)したことに反発してほかの民主派議員も一斉辞職し、ほぼ親中派一色になっており、可決するのは確実だ。

 香港政府の説明によると、改正案では公の場で有権者に白票を投じるよう呼びかけたり、選挙に行かないよう求めたりする行為も違反となる。着ている服や自宅の窓に呼びかけの言葉をプリントしたり、SNSで発信したりする行為も刑事罰の対象になり、最高で禁錮刑3年が科せられる。

 今回の制度改変では、香港政府トップの行政長官選、立法会選とも親中派向けに枠が大きく広げられただけでなく、候補者の条件である「愛国者」かを審査する委員会も新設される。民主派の一部には、選挙に参加する意義がないとして不参加やボイコットを求める声もあり、当局側はこうした動きを封じ込める意図もあるとみられる。(広州=奥寺淳