米の黒人男性死亡、元警官を訴追 警察は「誤射」強調

ニューヨーク=藤原学思
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 米ミネソタ州ブルックリンセンターで黒人のダンテ・ライトさん(20)を拳銃で撃って死亡させたとして、地元検察は14日、元警察官のキンバリー・ポッター容疑者(48)を第2級致死罪で訴追したと発表した。ポッター容疑者は同日、逮捕された。

 発表によると、ポッター容疑者は11日午後、同僚とともに登録期限の切れた車を停車させた。運転手のライトさんの身分証を確認すると、武器の不法所持容疑で逮捕状が出ていることが判明。身柄を拘束しようとしたが、抵抗され、拳銃でライトさんの左脇腹を撃ったとされる。

 勤続26年のポッター容疑者はライトさんに対し、スタンガンの一種「テーザー銃」を使う意図を強調。テーザー銃はベルトの左側にあり、左手で取り出す必要があったが、右側にある拳銃を右手で取って発砲した。州法は2級致死罪について、重大な過失によって不合理なリスクをうみ、人を死に至らしめるような危険な行為を犯した場合に適用されると規定。最高刑は禁錮10年となっている。

遺族側「意図的かつ不法な武力の行使」

 地元警察は12日、ポッター容疑者が、拳銃とテーザー銃を取り違えて撃ったと発表。警察本部長とポッター容疑者は13日に辞職していた。米メディアによると、テーザー銃と拳銃を取り違えて撃ち、訴追されたケースは2009、15年にそれぞれ確認されている。

 検察は「警察官ほど責務が重い職種はなく、大きな裁量と説明責任が伴う。我々は、ポッター容疑者が市民を守る責務を放棄したことを証明する」とする声明を発表した。また、遺族の代理人弁護士は「これは事故ではなく、意図的かつ不法な武力の行使だ」として「誤射」を否定。「ダンテや遺族、全てのマイノリティーのために我々は闘い続ける」としている。

 事件は昨年5月にジョージ・フロイドさんが死亡したミネアポリスの現場から16キロ離れた場所で発生。直後から抗議活動が起き、地元の治安当局は暴動を扇動したなどとして、13日だけで79人を逮捕した。14日夜も数百人が警察署を取り囲み、にらみ合いが続いている。周囲には夜間外出禁止令が出されている。(ニューヨーク=藤原学思)