東芝、終わりの見えない統治不全 「対話役」辞任の皮肉

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編集委員・堀篭俊材
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 東芝への唐突なファンドからの買収提案は、わずか1週間で社長辞任劇に発展した。2015年の不正会計問題以降、問われ続けるガバナンス(企業統治)不全と経営の迷走に、東芝がまだ終止符を打てていないことを印象づけた。

 いち早く社外取締役を中心に据える経営体制に移行し、ガバナンスの「優等生」とも言われた東芝の内情が明らかになったのは15年の春。トップから実現不能な利益目標を「チャレンジ」と称して押しつけられるなど、現場で売り上げの水増しが長年続いていた不正会計問題が発覚した。

 17年には東芝が買収した米原発会社ウェスチングハウス(WH)が巨額損失を出して破綻(はたん)した。2年連続の債務超過上場廃止になるのを避けようと、東芝は海外ファンドなどから約6千億円の資金を調達した。

 14日に辞任した車谷暢昭社長に東芝が白羽の矢を立てたのは、ファンドなどの「モノ言う株主」との対話役として期待したからだ。メガバンク出身で、英国系ファンドCVCキャピタル・パートナーズの日本法人トップも務め、金融界での豊富な経験が買われた。

 しかし、「ファンドの介入を招いた代償は大きかった」と東芝の元役員は話す。株主との対立は次第に増し、東芝のガバナンスを疑問視する声は続いた。

 昨夏の定時株主総会でも書類の集計で不適切な処理があり、東芝の社外取締役らでつくる監査委員会が行った問題の検証に納得しない株主が第三者による再調査を求めた。今年3月の臨時株主総会で再調査の株主提案が可決され、社外取締役の手腕に「ノー」が突きつけられた形となった。

 CVCからの買収提案をめぐ…

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