女性活躍「ピラミッドの上の話」指数の使われ方に潜む罠

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聞き手・西村奈緒美 聞き手・田中聡子
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 世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数「120位」が、今年も話題だ。「女性活躍」がうたわれて久しいのに、なぜなのか? 光の陰で見えにくくなっているものとは。

映像制作会社カタルチア・高橋絵理代表 「底辺で生きてきた」

 女性活躍がうたわれるようになりましたが、それは「ピラミッド」の上の方の話ではないでしょうか。華やかに見えるアナウンサー業界の「底辺」で生きてきた私には、その変化は感じられません。

 「女子アナ」と言うと、きれいでスタイルもよく、英語も堪能で、という華やかなイメージでしょうか。実際は、局アナを頂点とするピラミッド構造の下の方で、不安定な働き方をしている人がほとんどです。就職活動でテレビ局100社近くを受けて全滅し、フリーで仕事をしてきた私は、まさにその一人でした。

 パン屋のバイトで生計を立て、衣装は友人に借りたり、古着屋を回ったりして工面していました。「食べていけないのは、自分にスキルがないから」と思っていましたが、周囲を見渡すと、私だけではありませんでした。

 別格に見えていた「局アナ」も含め、実は多くの女性が非正規の有期雇用で、「3年までね」と言われて採用されていました。その後、フリーになると固定給はなく、1本1本のギャラの積み重ねだけが収入です。妊娠したり、病気をしたりすれば、収入はすぐに途絶えてしまいます。

 きれいごとを抜きに言えば、40歳を超えた女性アナウンサーはほとんど必要とされません。スキルを評価され、長く働き続けるのは難しい。構造的な問題と気づきました。

記事後半では、独立研究者の山口周さんや、社会学者の菊地夏野さんも登場します。

 同じ境遇のアナウンサーが助…

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男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ]