福島知事「容認するしないという立場にない」処理水放出
笠井哲也
東京電力福島第一原発の処理水をめぐり、政府が海洋放出方針を決めたことを受け、福島県は15日午前、県庁で対応を協議する関係部局長会議を開いた。内堀雅雄知事は「県は海洋放出を容認する、しないという立場に無い」と述べ、賛否を明らかにしなかった。同日夕に上京し、梶山弘志経産相と会談する。
内堀氏は会議後、報道陣の取材に応じ、「(経産相に)情報発信や風評対策を求めたい」と述べた。
政府が海洋放出の方針を決定した13日、内堀氏は県庁を訪れた梶山氏と会談し、説明を受けた。梶山氏は「福島の復興を前に進めるためには不可欠なものだと考えております」と理解を求め、政府として風評対策に万全を期すと強調。これに対し、内堀氏は「(方針について)精査を行い、改めて意見を述べさせていただく」と述べるにとどまり、会談は6分で終わっていた。
福島県内では、第一原発が立地する双葉町や大熊町の町長は処理水の早期処分を求め、政府方針を容認している。一方、その他の多くの首長は反対や慎重な対応を求めている。(笠井哲也)