ブルース・リーとワンピースに学ぶ 香港民主化へ再結集

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台北=石田耕一郎
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 香港国家安全維持法国安法)の施行を受けて海外にバラバラに逃れた香港の民主化運動の担い手たちが、国境を越えて再結集を始めた。中国本土で1989年に起きた天安門事件を教訓に、当時の活動家との協力も生まれている。(台北=石田耕一郎)

 今年2月、台湾で季刊誌「如水」が発行された。「如水」とは、香港当局の摘発が強まるなか、デモ参加者らが用いた言葉。香港出身のアクション俳優ブルース・リーが武術の心得として、水のように形を変えながら柔軟に闘うことを説いた言葉に由来する。

 編集は欧米などに逃れた香港の民主化運動リーダーたちと台湾の支援者ら計11人が担い、台湾の人権団体「経済民主連合」が電子版を含めて発行する。創刊号は運動に関わった人々をつなぐ場をつくるという意志を込めて「絆」というタイトルにした。

異なる主張、話し合い重ねて克服

 香港立法会(議会)の元議員や元学生団体幹部らが、運動の変遷や評価、今後の国際社会との連携方法などについて執筆。3月末時点で、発行した1500部のうち1千部が売れたという。

 台湾の清華大大学院に通う台湾人の江旻諺さん(25)は創刊の準備段階から関わった一人だ。留学先の香港大で政治学を学んでいた2014年、人々が香港行政トップを選ぶ民主選挙の実現を求めた雨傘運動を目の当たりにした。香港の人々はビジネスに専心し、政治に無関心だと思っていたが、路上を埋めた市民に印象が一変した。

 自らも香港の民主化運動に関わるようになり、台湾に戻った後も支援を続けた。昨年10月、海外に逃れた香港のリーダーら5人ほどと今後の運動方針を議論するなかで、雑誌の発行を決意。「香港の言論の自由が失われる中だからこそ、言論で勝負する場が必要だと考えた」と語る。

 香港の民主化運動では、平和的な手法を貫こうとする人々と、実力行使もやむを得ないと考える人々との間に亀裂があった。

 江さんたちは創刊に際し、過…

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