40年来のファンが描いたナウシカ 「本家」ジブリ展に
平畑玄洋
アニメ映画「風の谷のナウシカ」をリバイバル上映した秋田の映画館に、昔ながらの手描きの絵看板が掲げられた。描いたのは、40年近く前にナウシカに夢中になった地元のファンだ。その看板は評判を呼び、ついに「本家」のナウシカを紹介する「アニメージュとジブリ展」で、15日から展示が始まった。
巨大生物の王蟲(オーム)の横で、主人公ナウシカがりりしい表情を浮かべる。緻密(ちみつ)に描かれた絵看板は、縦1・8メートル、横3・6メートルある。秋田県大館市で介護福祉士を務める仲谷政信さん(56)が描き、昨年10月から約3週間、同市のミニシアター「御成(おなり)座」に掲げられた。
仲谷さんは高校卒業後、デザインの専門学校に進むため上京した。当時、ナウシカの原作を連載していた雑誌「アニメージュ」を定期購読し、映画は公開初日に駆けつけて、「感動して泣きながら見た」。10回以上は映画館に通った。
その頃、新宿駅前には映画の絵看板がずらりと並んでいた。その迫力と鮮やかな描写に感動し、「いつか描いてみたい」と思っていた。東京のデザイン会社などを経て、秋田に戻った。
経営難で閉鎖していた御成座…