児童養護施設などに外国ルーツ637人 無国籍の子も

藤崎麻里、小池寛木、北上田剛、座小田英史
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 全国の児童養護施設乳児院で暮らす子どもたちのうち、両親、またはどちらかの親が外国人の子どもが少なくとも637人(全体の3・8%)いることが、朝日新聞の調査でわかった。国籍のない子どもや多様な言語、文化など、施設の職員が対応に追われている様子も浮かび上がった。児童養護施設などに在籍する、外国にルーツのある子どもについては全国的な実態が把握されてないこともあり、国も調査をしている。

 昨秋、立教大学の石井香世子教授(社会学)の協力を得て、約600の児童養護施設と約150の乳児院にアンケートを行い、施設で暮らす子どもの国籍に関する問題などを聞いた。回答率は6割だった。

 昨年10月1日時点で、計約450の施設に1万6776人の子どもが在籍していた。このうち両親、またはどちらかの親が外国人で外国にルーツのある子どもは計637人。このなかで無国籍など国籍に問題を抱える子どもは24人いた。ほかに過去に該当したケースは30件以上だった。

 外国にルーツのある子どもの割合が多かったのは、関東、中部、関西地方などの都市部。施設別にみて最多は川崎市の施設で27人中10人(37%)。東北地方の施設から「預かるのは初めて」との回答があるなど、これまで少なかった地域でも増えている状況がわかった。

 言葉に対する不安の声も聞かれた。「小さな施設では対応が出来ない」「親とのコミュニケーションが難しい」などの声があった。日本国籍がない子どもが日本に滞在するには在留資格が必要だが、職員が制度に慣れておらず、複数の施設が「更新が大変で、役所が不親切」と指摘した。

 施設や児童相談センターなどによれば、日本で暮らす外国人の数が増加するなかで、多国籍化が進んだ影響がでている。津市の児童相談センターによると、これまでは日系のブラジル人やペルー人らが多く、ポルトガル語やスペイン語での対応が必要だったが、最近は中国語やベトナム語なども加わった。

 三重県にある施設の施設長は「宗教的な対応も複雑になっていると聞く」。イスラム教では豚肉を食べないなどの戒律があり、特別に調理されたハラール食しか口にできない子どもがいる。「3食そろえるのは地方では簡単ではない」といった声があったという。

 法務省の統計で無国籍の乳幼児(0~4歳)が増えている背景にも、外国人労働者の増加があるとみられる。児童養護施設に在籍する、外国にルーツのある子どもについても、これまで全国的な実態が把握されていなかったこともあり、厚生労働省が昨秋から調査をしている。藤崎麻里、小池寛木、北上田剛、座小田英史)