熊本地震、本震からあす5年 被害伝える崩落の橋桁保存

熊本地震

藤原慎一、棚橋咲月
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 熊本地震で2回目の最大震度7を観測した「本震」から、16日で5年。熊本県南阿蘇村では、崩落した旧阿蘇大橋に代わる新たな橋が3月に開通し、目に見えて復興が進む。一方、崩落した橋桁の一部はいまも崖に残る。村は地震の被害を後世に伝える「震災遺構」として残すことを決めており、県が今年度、橋桁の保存工事に乗り出す。

 長さ206メートルの旧大橋は1971年の開通後、熊本市方面と阿蘇地方をつないできたが、16日未明の本震で崩落した。付近では大学生の大和(やまと)晃(ひかる)さん(当時22)が土砂崩れに巻き込まれ犠牲となった。

 地震後、県と村は遺構として橋桁の保存を決めたが、方法や費用をめぐり協議は難航。県内の遺構58件の中で、最後まで保存方法が決まっていなかった。

 県は3月、2021年度中に保存工事に着手する考えを村に伝えた。橋桁をワイヤで固定し、工事後は村に管理を移す方針という。ただ、維持費など課題も多い。

 県内の震災遺構にはほかに、旧大橋周辺の大規模な山腹崩壊の現場や、国の天然記念物に指定された布田川(ふたがわ)断層帯(益城(ましき)町)が含まれる。インフラの復旧と同時に、被害の実相を残し伝える取り組みも始まっている。(藤原慎一、棚橋咲月)