神楽の存続に企業の力を活用 宮崎で支援制度

神崎卓征
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 県内の205カ所で伝承されている神楽が、少子高齢化の影響で途絶えないようにと、企業や団体、大学の力を借りる「みやざきの神楽サポーター」の認定制度を県が創設した。3月30日に県庁で第1回の認定証が交付され、県内外の8企業・団体が最初のサポーターとなった。

 県内には串間市、三股町、綾町を除く全市町村に神楽が伝承されている。県によると、1941(昭和16)年には400以上の神楽があったが、2012年には217にまで減少。現在残っているのは205で、戦前の半分にまで減った。存続している神楽の担い手にも苦労があり、夕方から翌朝まで舞う夜神楽を昼神楽に変更して維持するなど、規模の縮小も目立っている。

 そうした窮地を救うために今回サポーターに認定されたのは、NPO法人東米良創生会、宮崎空港ビル、ツーリズム高千穂郷、高千穂町観光協会、アクトテック(東京都)、松野工業(大阪市)、イー・アンド・エム(東京都)、ファスニング機工(北九州市)の企業・団体。

 各企業・団体はそれぞれが選んだ継承活動の支援に取り組む。従業員が神楽の練習に参加するための休暇の取得を奨励したり、神楽の準備を手伝ったりするものだ。社員旅行で初穂料を納めて夜神楽を鑑賞したり、神楽団体をイベントに招いて披露の場を提供したりするユニークな取り組みも含まれる。

 さらに、この中の3社は県に100万円以上を寄付し、県外での神楽の上演などの支援に活用される。

 サポーターの活動により伝統文化が継承されるほか、地域の交流が盛んになり、活力が維持されることが期待される。一方、企業・団体にとってもイメージアップ、従業員のワーク・ライフ・バランスの確保などが期待できるという。建設会社の場合は、支援内容によっては入札参加資格審査の等級格付けの際、「地域貢献」として加点される。

 認定された企業のひとつアクトテックは都内で防水工事をする会社。黒木富士男社長は椎葉村出身で、従業員3人も同村出身という。黒木社長は「従業員の2人は地元の栂尾神楽の舞い手。奉納のために毎年1週間程度、帰省のための休暇取得を奨励している。神楽の継承の手助けになれば」と話した。(神崎卓征)