橋の点検、ゲームにしたら 徳山高専生のアイデア最高賞

垣花昌弘
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 土木をまったく知らない一般市民が、スマホで対戦ゲームをしながら知らず知らずに公共インフラの維持管理にかかわる。そんな徳山高専(山口県周南市)の学生たちのアイデアが、全国のコンテストで最優秀賞を受けた。異状の早期発見や、土木技術者の人手不足の解消、自治体の財源確保にもつなげる仕組みだ。

 アイデアをまとめたのは、土木建築工学科5年の稲田透直(すなお)さん、中村央延(おうすけ)さん、谷口敦哉さん、梅木遼大さん、4年の川邊颯大(はやと)さん、山根秀太さんのチーム「わくわくピーナッツ」。

 ゲームでは橋の点検を想定している。実在する橋の写真を撮影してアップロードすると、その橋をイメージしたオリジナルのキャラクターが生成される。橋の損傷部分の画像をAI(人工知能)で解析し、損傷の程度が大きいほど、キャラクターの攻撃や防御といった能力を高めることができ、高性能の武器を獲得できる。

 同じように橋の画像をアップロードして自分のキャラクターを手に入れた全国のプレーヤーと対戦する。画像診断の結果をプレーヤーのスマホに短時間で伝えるために、次世代高速通信を活用する。

 橋のデータは自治体が閲覧でき、損傷の早期発見につなげるほか、キャラクターの能力アップや武器の獲得、衣装変更のために課金システムを採用し、収益の一部は橋を管理する自治体の維持管理費として還元できる。橋の知名度が上がれば、「聖地巡礼」として訪れる人が増えることも期待できる。

 ハイテクと、住民参加というローテクを組み合わせた提案は、インフラを守るためのアイデアを競う「第1回全国高等専門学校インフラマネジメントテクノロジーコンテスト」で最優秀賞を受賞。エントリーした17校30チームの頂点に立った。1次審査や最終審査の直前にテストがあるなかでアイデアを練り上げた。

 梅木さんが、スマホのゲーム「ポケモンGO」をヒントに、「まちを歩きながら点検できないか」と考えたのがきっかけ。インフラは大切なものだが、写真を撮る動機付けにはならない。リーダーの稲田さんは「橋の点検を、写真を撮るというゲームにしたのがポイント」。指導する海田辰将(たつまさ)教授(44)は「インフラと市民生活というまったく違う世界をゲームで直結させたのが面白い」と語った。(垣花昌弘)