大阪 枚方の地元情報サイト、府内全市町村に展開へ 

堀之内健史
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 人口約40万人の大阪府枚方市で月間300万を超える閲覧数を誇る地元情報サイト「枚方つーしん」を運営するmorondo(同市)が府内の他市町村でのサイト運営に乗り出す。上場企業の資金提供を受け、2023年度中には府内全ての自治体でサイトを立ち上げ、地元の身近な話題を発信していく計画だ。

 「京阪本通につくってる新守口警察署がだいぶできてきてる」

 2月に立ち上げた「守口つーしん」の記事。写真がメインの短い記事中心だが守口市や周辺に住む人にしかわからないような街の変化を伝えている。他にも「○○にローソンができるみたい」といった開店、閉店や「○○でアライグマが出た」といった情報も。ほぼ毎日複数の記事を配信する。同社代表取締役の原田一博さん(39)は「地元の人の雑談のネタになる情報を選んでいる」と話す。

 サイトの原型になっているのは、同社が11年前から運営し、収益化に成功してきた「枚方つーしん」(通称ひらつー)だ。そのノウハウを活用し、昨夏以降、「寝屋川つーしん」と「高槻つーしん」、「交野タイムズ」の運営も開始。現地で雇用した主婦などが執筆にあたる。北摂や北河内エリアから徐々に広げ、23年度には府内全市町村でのサイト運営を目指す。

 「ひらつー」は開店や閉店、天気など1日7本ほど「雑談になる」記事を更新。気軽に読めるものばかりだが、現場に行くなどして情報の真偽の確認は徹底。スマホやSNSの普及などで閲覧数は増え続け、1月は約320万。読者からの情報提供も月300件にのぼる。

 主な収入源は企業から広告料を受け取り、広告であることを明示して、記事の体裁で載せる記事広告。記事広告の定価は、サイトの急成長とともに値上げが可能になり、今は1記事20万円を超える単価で請け負う。読者が枚方市に関係ある層に集中しているため、地元の商業施設などから定期的に依頼があり、収益化に成功した。

 事業拡大にあたり、昨年4月に同社の全株式を取得した東証マザーズ上場のメディア支援企業「INCLUSIVE(インクルーシブ)」から資金提供を受ける。同社の担当者は「枚方市民に繰り返し見られないと、300万を超える閲覧数にならない。必要とされている情報を発信している」と評価。ひらつーの地元密着の情報発信モデルが他地域でも成り立つとみる。

 地域メディアに関する著書がある編集者の影山裕樹さんによると、各地で地域の情報を伝えるサイトが立ち上がっており、個人や企業、自治体などの運営主体や目的も様々だが、ひらつーのように収益化に成功している例は限られるという。影山さんは「記事広告を使うビジネスモデルとしては、かなり成功している」と評価する。

 将来的にはmorondoと各地域の企業や商店とのつながりを生かした新事業も検討する。原田さんは「地元の人が、地元の楽しさを知り、興味を持つきっかけを作っていきたい」と意気込む。(堀之内健史)