台湾問題、共同声明に明記へ 米高官「中国へシグナル」

ワシントン=園田耕司、青山直篤
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 米政権高官は15日、翌16日に予定されているバイデン米大統領と菅義偉首相との首脳会談で出される共同声明に、台湾海峡をめぐる問題が明記される見通しであると明らかにした。政権高官は台湾周辺での中国の活発な軍事行動に言及し、「我々は(中国に)明確なシグナルを送ろうとしている」と強調した。

 米政権高官は15日、電話での記者会見で、3月中旬に東京で行われた日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)の共同声明に「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調」と明記されたことに言及。「我々の願いは(台湾海峡の)平和と安定を維持し、現状(ステータス・クオ)を維持すること」と述べたうえで、「これらの問題について、公式声明や協議で目にすることになる」と語った。

 また、米政権高官は「(高速通信規格)5Gやその次の世代の通信技術について、日本側が米国と連携して20億ドル(約2200億円)の計画に取り組むことを表明する」ことも明らかにした。「米国と日本は供給網を多様化させ、(中国通信機器大手の)華為技術ファーウェイ)から独立した5Gの通信網を支援していくための手段をとる」と説明した。

 次世代の通信技術は中国との軍事・経済競争の決め手となる分野で、1月に成立した米国防権限法でも、同盟国とともに技術開発を進める共同基金の構想が盛り込まれている。トランプ前政権も同盟国と連携して、華為から独立した「クリーンネットワーク」を築く方針を示していた。バイデン政権は、それをさらに具体化させる。

 供給不足が深刻化する半導体レアアースなどの供給網の安定化も、米側が日本に求める協力の柱となる。これらの戦略物資は、人工知能(AI)や5Gがカギを握る米中の覇権争いに加え、バイデン大統領が力を入れる気候変動対策の上でも欠かせないためだ。(ワシントン=園田耕司、青山直篤)