学生村で亡くなった先輩たちへ 暗闇の中で祈り、つなぐ

会員記事熊本地震

長妻昭明、東野真和
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 熊本地震で2回目の最大震度7を観測した「本震」から16日で5年を迎えた。熊本県南阿蘇村の黒川地区には当時、東海大阿蘇キャンパスがあり、農学部生3人や住民が亡くなった。この日は現役の学生らが被災現場をめぐり、発生時刻の午前1時25分にあわせて暗闇のなか祈りを捧げた。

 地区では学生約800人が暮らし、「学生村」と呼ばれた。その頃を知らない現役学生8人が、当時の学生で熊本県美里町社会教育指導員の橋村さくらさん(26)と共に訪れた。亡くなった大野睦(りく)さん(当時20)、清田啓介さん(同18)、脇志朋弥(しほみ)さん(同21)が住んでいたアパート跡や、地元住民の犠牲者宅跡に立った。

 今は更地が目立ち、様変わりした学生村を歩きながら、橋村さんは当時の画像をスマートフォンで見せ「ここで下敷きになっていた」などと説明。一方で、多くの学生たちが救助されたのは、人のつながりがあったからだと説いた。

 地区住民との交流や語り部をする学内団体「阿蘇の灯(あかり)」代表で、農学部3年島田希美さん(20)も参加。「次の世代につなげられるように、メンバーを募っていきたい」と話した。

 本震発生時刻の午前1時25分には、崩落した阿蘇大橋のたもとで手を合わせた。付近では熊本学園大生の大和晃(ひかる)さん(当時22)が亡くなっている。(長妻昭明、東野真和

バトンは現役学生へ

 「阿蘇の灯(あかり)」は、黒川地区に東海大阿蘇キャンパスがあった頃の地元住民とのつながりを保ち、熊本地震後も記憶を語り継ごうと、当時の下宿生らが地震から半年余りの2016年11月に結成した。この1年はコロナ禍で活動自粛を余儀なくされたが、そのバトンは確実に現役学生につながれている。

 50軒近い下宿やアパートの…

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