「リコール署名、事務所で指印」 偽造事件で関係者証言

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 大村秀章愛知県知事へのリコール署名の偽造事件で、運動関係者らが名古屋市内で昨年11月ごろ、押印のない署名に指印を押すなどの作業をした疑いがあることがわかった。関係者が朝日新聞の取材に証言した。愛知県警が先月、地方自治法違反(署名偽造)容疑で家宅捜索に入った事務所で作業をしたという。

 リコール署名をめぐっては、昨年10月に佐賀市で多数のアルバイトが集められ、署名を書き写す作業をしたことが取材で判明している。関係者が指印を押す作業への関与を認めたのは初めて。

 この関係者によると、昨年11月ごろ、名古屋市東区リコール運動団体の事務所などで、事務所スタッフやボランティアらが、集めた署名簿を自治体ごとに仕分ける作業をした。その際、事務局長の田中孝博・元愛知県議から指示を受け、署名簿のうち押印がない署名に自分の指印を押したり、複数の自治体の在住者が混在する署名簿から、各自治体ごとの署名簿に署名を転記したりしたという。

 関係者は「親指を使ったり、小指を使ったりして、同じ押印に見えないようにするにはどうしたらいいかと工夫していた」と話した。大半の自治体で署名集めの期限だった10月25日以降、提出期限だった11月4日ごろにかけて、数日間にわたり複数の人が作業。田中氏は「選管が調査するから大丈夫」と説明していたという。

 中日新聞は16日、事務局幹部の山田豪・元常滑市議=15日に議員辞職=が、田中氏の指示で署名に指印を押したことを認めたと報道。田中氏は朝日新聞の取材に「山田さんの発言内容を確認して、説明したい。今はお答えできません」、関係者の証言については「絶対にない」と否定した。

 県選挙管理委員会が2月、提出された約43万5千筆の約83%に無効の疑いがあるとの調査結果を発表し、同容疑で刑事告発。県警は山田元市議を任意の事情聴取するなど、捜査を続けている。