人気健在の元ブラジル大統領、出馬可能に 最高裁で確定

サンパウロ=岡田玄
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 南米ブラジル連邦最高裁大法廷は15日、収賄の罪で有罪としたルラ元大統領(75)の判決を取り消す判断を確定させた。これにより、ルラ氏は22年10月の大統領選への立候補が可能となった。左派・労働党のルラ氏の人気は健在で、直近の世論調査では、再選を狙うボルソナーロ大統領との決選投票になる可能性が高いとみられている。

 ブラジルでは、二審で有罪判決を受けると当選できない。建設会社からマンションなどを受け取ったなどとして収賄の罪に問われたルラ氏は18年1月、南部クリチバの連邦地裁での二審で禁錮12年1カ月の有罪判決を受けた。このため、18年大統領選に出馬が認められず、ルラ氏側は異議を申し立てていた。

 今年3月、最高裁判事が「クリチバ地裁には管轄権がなく、首都ブラジリアで審理されるべきだ」として有罪判決を取り消し、裁判のやり直しを命じる判断を示していた。最高裁は15日、判事11人による大法廷でこの判事の判断を審理した。8人が賛成し、有罪判決取り消しが確定した。

 次期大統領選の立候補届け出は22年8月が期限だが、やり直し裁判の二審判決がそれまでに出る可能性は低い。事実上、ルラ氏は立候補できることになった。

 03年から2期8年大統領を務めたルラ氏は、好景気とも重なり、貧困層を中心に絶大な支持を集めた。今月実施された世論調査では、ルラ氏とボルソナーロ氏が決選投票に進んだ場合、34%がボルソナーロ氏に投票すると回答したのに対し、ルラ氏に投じると答えたのは52%だった。

 ルラ氏の裁判をめぐっては、有罪判決を下した地裁のモロ判事が、ボルソナーロ政権で法相に就任したことから、「政治的な判決」だと批判が起きていた。(サンパウロ=岡田玄)