墓参と水族館「近場の大冒険」 最高だったと言い残し

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それぞれの最終楽章・最期の旅行(1)

内科医・旅行医 伊藤玲哉さん

 「旅行医」は耳慣れない肩書でしょう。「旅する医者」ではありません。「旅に出たい」患者さんの思いをかなえる医者です。

 「患者が旅行するなんて」が医療界の一般的な受け止めです。しかし、旅行が患者さんの生きる希望になることはままあります。「患者が望めばいつでも旅行できる」体制作りを目指し、第一歩として諦めていた旅をかなえる「たびかな」プロジェクトを展開中です。最新の事例を紹介します。

 加藤幸雄さん(享年87)は東京・北千住で電気工事業を営んでいました。17年前に奥さんを亡くし、娘の早苗さん(55)と2人暮らし。病気とは無縁の生活でしたが、2014年冬に急性の胃潰瘍(かいよう)で3カ月入院しました。仕事もやめざるを得ませんでした。

 要介護2と判定され、週に3、4回介護施設に通い、同時に訪問看護も受けるようになりました。家族には寡黙でしたが、施設では「面倒見のよい加藤さん」で知られ、冗談を言っては周囲を笑わせる人柄だったといいます。

 徐々に衰えが見られたものの…

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