「カミさんに何が書ける」 多難だった「ひととき」誕生

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朝日新聞ポッドキャスト ひととき70年①

 朝日新聞を開き、中ほどの「生活」面に毎日1編ずつ載っている投稿欄「ひととき」。1951(昭和26)年に始まり、70年も続く読者による人気コーナーですが、実はその誕生はたいへんな難産でした。「女に何が書ける」という周囲の反対を押し切り、名物投稿欄を世に出した男性記者の奮闘について、現在の「ひととき」欄を担当する足立朋子記者に聞きました。朝日新聞ポッドキャストでお聞き下さい。

Apple Podcasts や Spotify ではポッドキャストを毎日配信中。音声プレーヤー右上にある「i」の右のボタン(購読)でリンクが表示されます。

    ◇

Q:そもそも「ひととき」欄とはどのような欄ですか。

足立:朝日新聞の投稿欄と言えば「声」欄が代表的ですが、そちらは社会の事象に対する「意見」という色合いが強い。対して「ひととき」は、日々のくらしの中で、自分の心の琴線に触れたことをまとめた「エッセー」「コラム」に近い。全国の津々浦々にいる市井のコラムの名手が投稿してきてくれ、新聞が届いたら真っ先にこの欄を読む、という方もいらっしゃいます。

Q:70年も続いているそうですが、最近の話題はありますか。

足立:この1年は新型コロナに関する投稿がとても多かった。

 介護施設にいる親と会えない、葬儀にも行けない、彼氏に会えないなど、コロナ禍で人と会えないつらさや、その中でどう喜びを見いだしていくかなどを、小学生からお年寄りまで幅広い年代がつづっていただきました。

Q:1週間にどれぐらいの投稿が届くものなんですか。

足立:全国で200通近く届いています。そこから選ばれて紙面に掲載されるので本当にレベルが高く、記者も読みながら涙することも多いです。楽しみにされている読者も多く、めったにないことなんですが、今年、生活面がお休みで「ひととき」が掲載されなかったことがあり、朝日新聞の広報に問い合わせが殺到して改めて「ひととき」が読まれていることを感じました。

画期的だった男性デスクの提案

Q:もう一つの特徴が「女性による投稿欄」だということですね。

足立:それには「ひととき」誕生の経緯が大きく関わっています。

 「ひととき」が誕生したのは…

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