瀬古利彦さんの長男、昴さんが死去 2012年から闘病

堀川貴弘

 日本陸上競技連盟のマラソン強化戦略プロジェクトリーダーを務める瀬古利彦さん(64)の長男、昴(すばる)さんが13日、死去した。34歳だった。通夜、告別式は家族で行う。喪主は父、利彦さん。

 昴さんは2012年に悪性リンパ腫の一種であるホジキンリンパ腫を発症し、入退院を繰り返しながら闘病していた。先月には、闘病の様子や家族との交流を明るいタッチで描いた「がんマラソンのトップランナー」(文芸春秋企画出版部)を発刊。現在は、電子書籍で購読できる。

 長男の死去にあたり、利彦さんは「とても厳しい治療を何度も乗り越えながら、彼は常に明るく前向きに生きました。そして自分と同じく病に苦しむ人を励まし、勇気づけようとしていた彼の姿は親の目から見ても尊敬できるものでした。今はただゆっくり休んでほしいと思います」とコメントした。

 昴さんはこれまで化学療法骨髄移植放射線治療といった治療を受けて、命の危機を乗り越えてきた。利彦さんは今年2月、昴さんの病状について「昨年の秋に退院して、ずっと自宅で療養している。調子は良かったり、悪かったり。本を書くことに集中して病気のことを忘れているのがいい」と語っていた。

 昴さんはふだんからブログなどに軽妙な筆致で闘病の様子などを投稿。周囲からも「文章がうまい」と評価されていた、という。

 利彦さんは「医者から『昴くんはがん患者のトップランナーだね』と言われたのが刺さったみたい。同じように病気に苦しむ人のトップランナーになるから、と言って書いていたようだ」と話した。今月7日に故郷の三重県四日市市聖火ランナーを務めた時も「息子のためにも、病気を吹き飛ばそうという思いで走った」と語っていた。(堀川貴弘)