送還規定見直し、疑問の声相次ぐ 入管法改正案審議入り

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南彰 伊藤和也
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 強制退去処分を受けた外国人が施設に長期間収容されている問題を解消するとして提出された出入国管理法改正案の審議が16日、衆院本会議で始まった。難民認定の申請中は送還しないとの規定を見直し、3回目以降の申請で相当な理由がない場合は送還できるようにする内容だが、野党から疑問視する声が相次いだ。

 上川陽子法相は衆院本会議での趣旨説明で「送還を忌避する者が後を絶たず、収容が長期化する要因にもなっている。退去強制手続きを適切、実効的なものにするのは喫緊の課題だ」と改正案の意義を説明した。

 改正案に対しては、国連難民高等弁務官事務所が「懸念」を表明。国連人権理事会の特別報告者も「国際的な人権基準を満たしていない」と再検討を求める書簡を日本政府に送っている。この点について、野党から対応を問われた上川氏は「外国人の人権にも配慮し、我が国が締結している人権諸条約に抵触するものではない」と反論した。

 とくに議論になっているのが、難民認定申請中は何度でも送還が停止される規定の適用を原則として2回までに制限する内容だ。

 立憲民主党の屋良朝博氏から「誤って送還し、生命や身体に危険を生じさせかねない」と訴えた。上川氏は「2度にわたり審査が尽くされており、(難民認定申請中の)法的地位の安定を図る必要はない」と述べ、3回目以降の申請中に送還しても問題ないことを強調した。

 これに対し、共産党の藤野保史氏は、3回目の申請中に訴訟で勝って難民認定を受けた人数について、「2011~18年に認定を受けた約1割の19人」と指摘したが、法相は「にわかに確認できない」と認めなかった。別の野党議員も3回目以降の申請で難民認定を受けた人数を明らかにするよう求めたが、「確認可能な限り承知していない」と述べるにとどめた。

 この日の審議では、そもそもの日本の難民認定率が諸外国と比べて低いことや、入管施設での死亡事案が起きていることも問われた。(南彰)

■収容の長期化、背景に…

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