COCOA問題、業者任せが連鎖 厚労省の能力「疑問」

有料会員記事新型コロナウイルス

山本恭介 聞き手・小宮山亮磨
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 新型コロナウイルスの感染者との接触を知らせるスマートフォンアプリ「COCOA(ココア)」の不具合が4カ月以上、放置された問題で、開発を担った厚生労働省による検証報告書が16日公表された。厚労省の人材不足や業者任せの対応に加え、厚労省、事業者双方の無責任な「思い込み」が連鎖し、不具合が見逃された。

 COCOAは、感染者から1メートル以内に15分以上いた場合に接触を知らせるアプリだが、昨年9月末にアップデートされて以降、陽性者と接触してもアンドロイド端末では通知が届かなくなっていた。この不具合は発生自体が見逃され、今年2月まで放置されており、この点が今回の検証の中心となった。

 報告書では、不具合の放置に至るまでに、9月のアップデート時に動作確認のテストをせずに提供したこと、テスト環境が整ってもテストをやらなかったこと、11月に不具合の指摘を放置したこと、という三つの「局面」があったとした。そのいずれも厚労省や事業者は「ほかがやっているだろう」といった思い込みにとらわれ、問題は置き去りにされた、と指摘した。厚労省の担当者は「どのようなテストができていないのか認識できていなかった」「事業者から報告がなかった」と語るなど、業者任せの姿勢が際立った。

 もともと接触通知アプリは、内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策テックチームのもと、有志のエンジニアが集まった一般社団法人「コード・フォー・ジャパン」が開発を進めていた。そこへ昨年5月、基本技術の提供元となる米グーグルとアップルが「公衆衛生当局が管理し、1国1アプリに」と各国に求めたことで、政府は方針を転換。IT人材に乏しい厚労省が急きょ、開発を担うことになった。

 政府の感染防止の「切り札」としてアプリ配布を求められたものの、報告書によれば、コロナ対応に追われる厚労省内の体制は脆弱(ぜいじゃく)だった。業務が分かる職員は数人に限られ、しかも短期間で入れ替わっていた。

 開発には民間から登用された政府のCIO補佐官も加わったが、補佐官は「(担当する)結核感染症課はITを所管する部署でもない。能力に疑問を持っていた」と証言した。ただ、補佐官も開発への関与は「週1、2回」程度だったという。

 厚労省は開発をIT企業「パーソルプロセス&テクノロジー」に委託したものの、短期間の開発になったことなどから、パーソル社が業務を他社に再委託、再々委託することを容認。その結果、計6社で業務を分担することになり、事業者間の役割分担が「不明瞭」(報告書)になった。

 こうした調査結果をもとに報告書は、厚労省に専門的な判断ができる人材が足りず、人員体制も不十分だったと指摘。再発防止策として人員の確保や業務を委託する場合の指示内容の明確化などを挙げた。

 今回の報告書は外部の弁護士…

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