「降格なし」新B1は地方切り捨てか チェアマンに聞く

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聞き手・松本麻美、河野正樹
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 プロバスケットボールのBリーグが、開幕10年を迎える2026年に大きく変わる。B1では事業規模などの「経営力」で参戦の可否を判断し、降格をなくす。昇降格のある「Jリーグ型」から「プロ野球型」へ。変革の狙いを島田慎二チェアマンに聞いた。

拡大する写真・図版NBAのプレシーズンマッチが開催された、さいたまスーパーアリーナ。2日間で4万人以上を動員した=2019年10月

広がる格差、「やりがい搾取」横行

 ――降格をなくし、新しいB1の参入条件が「成績」から「経営」に変わります。

 「昇降格制度を否定しているわけではありません。昇降格制度があるJリーグのスタイルを踏襲したからこそ、『昇格したい』とか『降格したくない』という思いが、経営努力を促進してきました。それがこの5年間の成長のエンジンだったと思います」

 ――Bリーグが順調に成長する中で、必要な改革なのでしょうか。

 「これまでの制度は一定の効果は出してきたものの、一方でクラブ間の経営力の格差はどんどん大きくなっています。初年度の営業収入は約6千万円から約12億円の間にひしめいていましたが、今はトップが15億円くらいまで伸び、幅が広がりました。あと数年でもっと開くと見ています。経営力がしっかりしないと選手に投資できない。経営力の格差が出てくると、試合も面白くなくなります」

拡大する写真・図版Bリーグの将来構想について語る島田慎二チェアマン

 ――もともとバスケットはサッカーに比べて格下が格上に勝利する「ジャイアントキリング」が起きにくい。つまり、経営力が成績にもある程度反映されるということですか。実際、トップチームの人件費では最大7億円もの差が生まれています。

 「Bリーグが開幕して以降、『昇格したい』『降格したくない』『大きな賞金を取りにいきたい』といった思いからチームへの投資が先行してきました。その結果、選手の年俸が上がり、この先もっと良い選手を獲得するには、いまのスキームに限界を感じています。事業に投資がまわらなければクラブは大きくならない。一部では、スタッフも増やせないし、事業の現場が疲弊して、スポーツビジネスあるあるの『やりがい搾取』が横行している現実もあります」

地方を救うための転換

 ――新しいB1のライセンス要件は主に三つで、クラブが優先的に使用できる5千人以上の大規模アリーナの確保▽売上高12億円▽平均入場者数4千人。アリーナも現行基準からVIPルームの設置などが追加され、これまでと比べて格段に厳しくなります。集客やスポンサー探しに有利な大都市のクラブ優遇で、地方クラブの切り捨てになりませんか。

 「出張してBクラブが拠点を…

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