電力料金の高騰、原発稼働で防げたか 経済学者に聞いた

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聞き手・伊藤弘毅
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 電力のスポット市場で全国的な価格指標が平年の10倍超――。昨年末から今年初めにかけて、こんな日が続いた。新電力会社経営破綻(はたん)し、月に支払う電気代が平年の数倍に跳ね上がる消費者も表れた。SNSでは「原発の再稼働をすれば済む話だ」など、動いている原発が少ないことに原因があるとする投稿が相次いだ。こうした意見について、エネルギー政策に詳しい東京大学の松村敏弘教授に尋ねた。原発の再稼働や新増設で「市場高騰」は防げますか?

Q 卸電力市場の価格高騰は、なぜ起きたのでしょうか。

A 主な要因は、火力発電所の燃料となる液化天然ガス(LNG)不足です。寒波で暖房需要が高まるなか、石炭火力発電所の予定外の停止といったトラブルも重なり、電力各社は主にLNG火力で需要の急増に対応せざるを得なくなりました。

 通常ならスポット取引で追加調達できますが、パナマ運河の渋滞などで産地から輸送船の到着が遅れたり、中国や韓国でも需要が高まって「奪い合い」が起きたりといった不運も重なり、在庫が不足して各社はLNG火力を十分に動かせなくなってしまいました。市場で売られる電気の量が急減し、取引価格がつり上がりました。

 ただ、こうして市場価格が上がったことと、価格高騰が何日も続くような状況に市場が陥ったことは、区別して考えなければなりません。

Q どういうことでしょうか。

A 卸市場ではこれまでも、1…

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