処理水放出に猛反発した文政権の事情 昨年から態度変化

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ソウル=鈴木拓也
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 日本政府が東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出方針を決定したことをめぐり、韓国の文在寅(ムンジェイン)政権が「周辺国の安全と海洋環境に危険を招く」と猛反発している。その背景には、国内世論に敏感にならざるを得ない事情もあるようだ。

 「日本政府の不当な決定に強い遺憾の意を表する。絶対に許せない措置だ」。日本政府が処理水の海洋放出の方針を決定した13日午前。文政権は関係官庁の次官を集めた緊急会議を開催し、会議を主宰した国務調整室の具潤哲(クユンチョル)室長が強く批判した。韓国政府は決定前の前日に「深刻な憂慮」(外交省報道官)を示していたが、批判のトーンをさらに上げた。

 韓国政府関係者によると、会議の開催は13日朝に決まったという。国務調整室は、内政で大統領を支える政権ナンバー2の首相を補佐する行政機関。その組織を束ねる具氏は、政府内で対日強硬派として知られる。日本政府が2020年3月に新型コロナウイルス感染対策として、韓国からの入国を大幅に制限する措置を発表した際、怒りをあらわにして対抗措置を主張したという。

 韓国外交省はこの日、崔鍾文(チェジョンムン)第2次官が相星孝一・駐韓国大使を同省に呼び出して抗議した。大使館のトップである大使を呼び出すのはまれで、強い抗議を意味する。韓国政府関係者によると、同省内には慎重な意見もあったが、大統領府の意向が強く働いたという。

 福島原発事故の影響をめぐる…

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