東芝買収の具体案示さず 英CVC「敵対的」は回避姿勢

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 東芝に買収を提案していた英国系投資ファンド、CVCキャピタル・パートナーズが、追って出すとしていた具体案を16日夕までに東芝に示さなかった。16日は、CVCが具体案を示す期日としていた。

 具体案が遅くなっても法的な問題などはない。それでも、CVCにかつて在籍した車谷暢昭氏の東芝社長からの辞任と、その背景にある買収提案への東芝の社内外からの反発が、CVCの逆風になっている可能性がありそうだ。

 関係者によると、CVCの買収は、当該企業の賛同を得た上での実施を原則としており、敵対的買収はしない方針。東芝社内で買収提案への反対の機運が高まるようだと、CVCが撤退する可能性が大きくなる。

 東芝をめぐっては、米投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)やカナダ投資会社、ブルックフィールドなども買収を検討している、との報道があり、これらの動向も注目される。

 CVCが東芝に買収を提案したのは6日。株式の公開買い付け(TOB)で東芝の東証1部への上場を10月に廃止し、企業価値を高めた上で3年後の再上場をめざす、としていた。

 提案は、かつてCVC日本法人のトップを務めた車谷氏が、東芝社長として大株主である海外ファンドと対立している最中だった。経営方針や企業統治などをめぐる対立だ。非上場をめざすCVCの提案が実現すれば、結果的に、車谷氏の「助け舟」になる可能性があった。

 しかし、車谷氏は14日、社長を含む東芝の全役職を降りた。大株主や社内外からの不信感を背景に辞任に追い込まれた。社内外の不信感は、CVCからの買収提案で膨らんでいた。

 東証1部への復帰を1月に果たしたばかりであることも踏まえ、東芝の経営陣には買収提案への慎重論が根強い。取締役会議長の永山治・社外取締役中外製薬特別顧問)は14日の記者会見で、CVCからの6日の提案について「内容が乏しく大変唐突なもの」と指摘。「慎重な検討を要する問題が少なからずある」と話していた。