私大下宿生の生活費、1日693円

永井啓子
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 昨年春に京都の私立大学に入り親元を離れて暮らす学生の1日の生活費が、693円で過去最低だったことが、保護者への調査でわかった。毎月の仕送り額が過去最低だったためで、対面授業がなく実家へ戻るなど、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあるとみられる。

 調査をしたのは、京都・滋賀の私立大の教職員組合でつくる京都私大公助推進会議。1988年度から続けており、昨年は8月から11月にかけて、3大学(京都先端科学大、立命館大、龍谷大)の保護者に郵送で実施。新入生の保護者3432人から回答を得た。うち自宅外から大学に通っているのは約半数の1686人だった。

 新生活当初の出費が落ち着く昨年6月の仕送り額は、平均7万4117円。前年度より6569円減り、過去最低となった。1日あたりの生活費は、そこから家賃(平均5万3349円)を引いた2万768円から算出した。693円は前年度より238円少なく、最高だった95年度(2337円)の3割に満たない。

 同会議事務局は「新型コロナの影響で大学がオンライン授業になり、下宿生が自宅に戻ったことが、仕送り減の一因ではないか。それでも家賃は払い続けなくてはならず、経済的に厳しい」としている。

 下宿生の入学の年にかかる費用(受験から入学までの費用と仕送り額の合計)は、平均280万2259円で、年収に占める割合は31・4%。過去5年はほぼ同水準で推移している。

 自由記述では「コロナの影響で、子どものアルバイトが予定したほど収入が得られなかった」「家計が厳しく、奨学金を借りているが、子どもの未来への借金かと思うと先行きが不安」「コロナで妻が仕事を失い、収入が不安定で心配」など、切実な訴えが寄せられた。調査は例年、6大学を対象にしているが、今回は3大学で実施した。(永井啓子)

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