議員の人件費、あの大臣は年8千万 人数答えぬケースも

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北沢拓也
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2019年の政治資金報告書を調べると

 国会議員が私設秘書やスタッフに支払う人件費は、どれくらい支出されているのか。衆院議員が2019年の政治資金収支報告書に計上した支出額を調べたところ、議員別の最高額は武田良太総務相で約8520万円だった。全議員の平均は約1450万円で、政党別では自民の支出が最も多かった。

 人件費は、支出先の記載義務がある他の名目とは違い、総額だけを収支報告書に記載すればよい。国会議員は、国費で給与が賄われる公設秘書に加え、私設秘書やスタッフを抱えて自身の政治資金から給与を支払っている。朝日新聞は、各議員が代表を務める「政党支部」と「資金管理団体」の人件費を合計した。複数の政党支部の代表となっている議員は、衆院選で立候補した選挙区の支部を対象とした。

 政党・会派別の平均では、自民が約1886万円でトップ。公明は約664万円。野党は、立憲民主が約830万円、国民民主が約1679万円、日本維新の会が約620万円。共産議員は、政党支部や資金管理団体を持っていない。

 議員別の最高額は、武田総務相で約8520万円。次いで、麻生太郎財務相が約7744万円、岡田克也立憲民主党常任顧問が約6693万円と続いた。上位のほとんどは自民議員が占め、他党の重鎮も名を連ねた。

 朝日新聞は、人件費の支出が多い上位30人(自民28人、立憲・公明各1人)に対し、「何人のスタッフに支払ったか」を尋ねた。9氏が具体的に回答し、支払った私設秘書らの人数は6~17人だった。人件費の総額から単純に平均を出すと、1人あたり約229万~約631万円となり、秘書給与法が定める公設秘書の1年分の給与(約322万~約640万円)よりは安かった。

武田氏、麻生氏、西村氏は人数を答えず

 一方、17人の議員は人数を答えず、「法令に基づいて適正に処理しています」(武田氏)、「政治資金規正法に則(のっと)り報告しています」(麻生氏)、「法令に定める記載事項以上の詳細については、回答は差し控えます」(自民・西村康稔氏)などと説明。残りの4人からは返答がなかった。

 07年の政治資金規正法の改正で、1万円超の支出の記載や領収書の添付が義務づけられたが、人件費は対象外で、総額だけを記載すればよい状況が続いている。

 政治資金に詳しい日本大学岩井奉信教授は「人件費自体は必要な支出だ。高いから悪いわけではなく、不当に安ければ、かえって問題だ」と指摘。一方、「総額のみの記載では、公になると不都合な支出を潜り込ませる『隠れみの』になる余地もある。プライバシーの観点から、秘書ごとの支払額の公開は難しいが、支払った人数を記載するなどの改善はできるのではないか」と話す。

私設秘書、どんな仕事を? 懐事情は

 人件費の支出が平均的な議員は何人くらいのスタッフを抱え、どんな仕事を任せているのか。

 自民の田畑裕明氏(衆院富山…

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