中條桃江さん(24) 東北大大学院

高橋昌宏
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 高校生の時、生物の体がつくられ、維持される仕組みについてもっと知りたいと思ったので、東北大の理学部生物学科を選びました。

 3年の後半から研究室に所属し研究テーマを決めます。テーマが固まれば計画を立て、実験で確かめ、その結果を受けて次にやることを決めるという繰り返しです。

 私は、細胞分裂の際、DNAを二つに正しく分ける時に必要となる仕組みを調べることにしました。1ミリ程度の小さな虫「線虫」を使って研究しています。特定の遺伝子が働かなくなるよう操作したり、蛍光タンパク質を使って細胞内の構造やその変化を顕微鏡で観察したりしています。

 細胞分裂時にDNAを正しく二つに分けられないと、ガンなどの病気になってしまいます。この研究は、将来そのような病気の診断や治療法の研究に役立つ可能性があります。

 自分の手で新しいことを見つけたり、期待した結果が得られたりした時の喜びを経験し、もっと続けたいと大学院に進みました。

 現在、私が所属する生命科学研究科の発生ダイナミクス分野は、受精卵から生物が形作られる際に生体内で起きるダイナミックな変化が、どのような分子メカニズムで制御されているかを研究しています。指導頂いている杉本亜砂子教授は知識の幅が広く、相談によく乗ってもらえます。

 新型コロナの影響で学内での研究が制限されるまでは、午前9時半から午後7時ごろまで実験したり、データをまとめたりしていました。研究結果の発表前で忙しい場合は、夜中までかかるときもありました。

 学内の「サイエンス・エンジェル」のメンバーとして、科学や研究の楽しさを伝える活動もしています。昨年は、オンラインで高校生からの相談に答えたり、科学イベントを開催したりしました。

 自分も高校の時は理系の選択などで悩んだので、こういうことを知っていたら、と思う点を伝えていきたいです。(高橋昌宏)

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 東北大大学院の生命科学研究科の修了生は近年、大学教員を始め、行政や研究機関、製薬会社といった民間企業などで働いている。