米中対立、引き込まれた日本 「台湾」明記が持つ意味

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石井潤一郎、ワシントン=相原亮 ワシントン=園田耕司
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 日米首脳の共同声明に「台湾」が明記された。中国の台頭に強い危機感を抱く米国に引きずられるように、日本が足並みをそろえるとのメッセージを発信する形になった。人権侵害に示した「懸念」を含め、中国側は猛反発しており、関係諸国に与える今後の影響は、見通せない。

 ホワイトハウスでの会談を終え、菅義偉首相バイデン米大統領とともに共同記者会見に臨んだ。

 「台湾海峡の平和と安定の重要性については、日米間で一致しており、今回改めてこのことを確認した」

 どう議論したのか記者に問われ、「台湾」に言及。一方のバイデン氏はまったく触れなかった。

 首相は、バイデン氏と対面で会談する最初の首脳となり、日本側は当初、「会うだけで意味がある」(官邸幹部)などと高揚感に包まれていた。だが、会談が迫るにつれ、日本政府内には不安も広がった。バイデン政権は日米同盟を重視する発信を続ける一方、さらに強い調子で対中強硬姿勢を示していたためだ。その象徴が「台湾」だった。

 日本政府として最優先課題に掲げたのは、日米で「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想の実現をめざす方針を確認すること。日本周辺での活動を活発化させる中国を念頭に、対抗する枠組みを構築する必要があるためだ。

 「尖閣諸島への日米安全保障条約第5条の適用」も再確認。バイデン氏は共同会見で、菅首相が「最重要課題」とする拉致問題を含めた北朝鮮問題にも触れて見せた。首相は会見で「厳しい安全保障環境を背景に同盟の重要性はかつてなく高まっている。政治信条、国内で抱える課題、共有するビジョンなど幅広く、率直な意見交換を行うことができた」と満足げに語った。安全保障分野での日本の要望は入り、官邸スタッフは「満点に近い」と話した。

ある閣僚「もう少し、態度はあいまいでも良かった」

 ただ、日本側が得た「果実」…

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