「日本語しか話せないのに」 クルド人少年、送還の不安
堤恭太
埼玉県川口市などに住むクルド人の難民が18日、同市の市民ホール「フレンディア」に集まり、出入国管理法改正案反対をアピールした。参加者は「強制送還されたら、収容されたり、迫害を受けたりする。自分だけではなく家族の人生も終わってしまう」などと訴えた。
同法改正案は16日に衆院本会議で審議が始まった。早期退去、収容の短期化のため、難民申請中は本国に送還しないという規定が見直され、3回目以降は送還できるようになる。
同市や蕨市には迫害から逃れて国内に移り住んだクルド人の約8割に当たる約2千人が暮らしている。難民申請が認められないため仮放免中の人や非正規滞在の人がほとんどという。
この日、会場に集まったクルド人は子どもたちを含めて約60人。13日に支援団体が東京都内で会見したが、クルド人は県外への移動が制限されているため、川口で集まって訴えた。
高校に通っているという少年は2歳の時に日本へ来た。「小学4年の時に手術をしたが難民申請中で保険に入れないため高額になり最近まで分割で支払っていた。友達に遊びに誘われても、そこが県外だと行けなくて悲しかった」。不安定な生活についてこう話し、「日本語しか話せないのに強制送還されたらどうやって生きていけばいいのか。自分は日本で働いて日本社会の役に立ちたいと思っているのに」と訴えた。
会場では、難民申請を3回以…