政活費不正、有罪判決の2人明暗分かれる 富山市議選

野田佑介、川辺真改
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 政務活動費の不正受給問題で有罪判決を受けた2人が立候補した富山市議選(定数38)が18日投開票された。判決が確定している元市議の谷口寿一氏(57)は当選したが、元議長で控訴中の現職の村上和久氏(59)は5期目を目指したものの、119票差の次点で落選した。

 「判決そのものがダイレクトにこの選挙に影響した」。落選が決まった村上氏は事務所で報道陣を前にそう語り、肩を落とした。

 村上氏は一連の問題で唯一、現職市議として詐欺罪で在宅起訴され、今年3月に富山地裁で執行猶予付きの有罪判決を受けた。だが、判決を不服として名古屋高裁金沢支部に控訴している。前回の市議選までは自民公認だったが、今回は公認申請を取り下げ、完全無所属で選挙戦に臨んだ。

 前回市議選では3545票を獲得して当選したが、今回は2413票にとどまった。だが「村上の無実と村上の訴えた政策をご理解いただいた上での2500票近い得票だ」と強調した。

 また、裁判については「選挙とは別の話。しっかりと無実を訴えていくことに変わりはない」と力を込め、集まった支持者らにはこう言葉を残した。「物語はこれで終わるわけではありません。しっかりと生きて参りますし、恩返ししていきます」

 一方、3341票を得て当選した谷口氏は事務所で報道陣の取材に「出直し選にもかかわらず多くの人に支持していただいた」と笑顔をみせた。

 政活費計約469万円をだまし取ったとして詐欺罪に問われ、19年9月に富山地裁で懲役1年6カ月執行猶予4年の有罪判決が確定した。問題発覚後の16年9月、2期目途中に議員辞職。辞職後はアルバイトを経て、介護施設で4年余り生活相談員として働いてきたが、地元の自治会幹部らに請われて立候補を決意。今年2月、解散した後援会を再び立ち上げた。

 選挙期間中は「(政活費問題の)批判の声は入ってこなかった」と語ったが、「自分がやってきたことは消えるわけではない。今後の活動で示していきたい」と身を引き締めた。政活費の交付額について「今の状態ではあまりにも使われておらず、減らしていく議論が必要だ」とも語った。

 市議会の政活費問題は2016年8月、地元テレビ局の報道をきっかけに発覚。市議らが架空の市政報告会の経費を申請したり、白紙の領収書を発行させたりして政活費を不正受給していた。7カ月間で自民党会派12人、民進党系会派2人が辞任した。地元局の報道や不正の経緯はドキュメンタリー映画「はりぼて」になり、全国各地で上映された。(野田佑介、川辺真改)