学校欠席やハンスト…「気候変動、体を使って声上げる」

編集委員・石井徹
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 政府が検討する2030年の温室効果ガス削減目標をもっと引き上げさせようと、若者たちが働きかけを強めている。22日から始まる米国主催の気候変動サミット前に発表される予定の日本の目標が、先進国として十分ではないと訴えている。

 「NDC(削減目標)を62%以上にしてください」。16日の金曜日のお昼時、東京・霞が関経済産業省前で、高校生や大学生ら17人が声を上げた。スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(18)が18年に始めた抗議活動は、金曜日に学校を休んでストライキをすることで世界中に広がった。

 日本では授業後の夕方や休日にデモ行進することが多かった。今回は「私たちの命や生活にかかわる新たな目標が決まるまで時間がない」として、4月2日から毎週金曜、東京、仙台、京都、鹿児島の学生有志が各地で、学校を休んで訴えることにしたという。

 東京でプラカードを掲げた都立国際高3年の岩野さおりさん(17)は、休む理由を担任に告げると「一人の人間としては応援したいが、教師としては授業を欠席するのを応援できない」と言われたという。

 都立西高3年の山本大貴さん(17)は、欠席する理由を書いた紙を自分の机に置いてストライキに参加したという。「受験生なので欠席すると追いつくのが大変」。ツイッターには「電気使うな」「息吸うな」「勉強してろ」などの書き込みをされることもあるが、「いま声を上げないと僕たちの未来が決まってしまう」と言う。

 22日には削減目標の引き上げを求めて、東京、仙台、京都、福岡で一斉のデモ行進を予定。24日には、温暖化防止を訴えるオンラインの音楽イベントもある。世界23カ国で同時に開催される「クライメイトライブ」だ。山本さんは日本の共同代表を務めている。ライブは午後6時から配信される。

 「気候変動の被害は(弱い立場にある)女性が男性より大きい。できることはないかと考えた時、体を使って声を上げようと思ったんです」

 モデルで気候活動家の小野りりあんさん(31)とアパレル会社社長でデザイナーのeri(エリ)さん(38)は、19日夜から日本の削減目標の引き上げなどを求めてハンガーストライキに入る。医師の助言を受けながら4日間、水と塩だけで過ごす予定だ。

 eriさんは「これからの社会を変えていくには、女性と若者の役割が重要。カルチャーやエンターテインメントを通じて、気候変動問題に入って来る扉を増やしたい」と言う。

 17~19日には、気候危機について学ぶトークイベントを開催。俳優の水原希子さんや歌手のコムアイさん、俳優の二階堂ふみさんらをゲストに、ユーチューブで配信する。(編集委員・石井徹