安保は米国、経済は中国 日本の板挟み長引く覚悟を

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聞き手 編集委員・三浦俊章
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 人権問題から海洋秩序まで、様々な分野で米中間の緊張が高まっている。「新冷戦」とも言われる米中対立に世界はどう向き合うべきなのか。かつての米ソ冷戦は、東側が自壊したことで軍事衝突に至ることなく終結した。その歴史から学ぶべき教訓とは。冷戦史研究の第一人者、ウェスタッド米エール大教授に聞いた。

 ――米中の対立は、新たな冷戦なのでしょうか。

 「中国は米国にとっての大きなライバルであり、中国共産党は米国を敵視している。その意味ではソ連と似ています。経済力から考えると、中国はソ連よりも手ごわいかもしれない」

 「しかし最大の違いは、ソ連は西側から遮断され、独自の経済圏を持っていたこと。中国は世界市場に統合され、それが中国が急速に大国になった理由でもある」

 「もうひとつの大きな違いは、米ソ冷戦は、資本主義と社会主義のイデオロギーの戦いだったことです。『善』と『悪』との戦いでした。これに対し中国にはソ連が持っていたようなグローバルなイデオロギーはありません。名は共産党だが、実際にやっているのはナショナリズムの政策。中国の利益をできるだけ増大させようということです」

 ――冷戦でないとすると、何なのでしょう。

 「世界政治の現況は、多くの点で19世紀末の大国間の対立に似ています。各国はナショナリズムに駆り立てられている。米中二極ではなく、多極化が進んでいる」

国益阻害に対抗 中国は古典的な大国主義

 ――中国は何を望んでいると思いますか。

 「東アジアにおいて、中国は…

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