73歳誕生日 教え子のパ3投手から届いた贈り物とは

山口裕起
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 「夢のようなできごと。甲子園に出るよりも、うれしかったですね」

 今春の選抜高校野球大会に初出場した専大松戸(千葉)の持丸(もちまる)修一監督は声を弾ませながら、そう振り返った。

 4月17日、プロ野球のパ・リーグの3試合で勝利投手となった3人は、すべて持丸監督の教え子だったからだ。

 ロッテ・美馬学は藤代(茨城)で、日本ハム・上沢(うわさわ)直之とソフトバンク・高橋礼は専大松戸で指導をした。

 これまで指揮を執った竜ケ崎一と常総学院(ともに茨城)を含め、4校すべてでチームを甲子園に導いた名将は、多くのプロ野球選手を育ててきた。

 その選手たちが同じ日に先発し、同じ日に勝利を挙げ、「こんなことがあるなんて。監督冥利(みょうり)に尽きますね」。

 これだけでも珍しいことだが、さらに「奇跡」が重なった。

 17日は自身の73歳の誕生日だったのだ。

 ネットの「1球速報」で教え子たちの3試合を次々に切り替えながら、こまめに経過を確認していたという。

 デーゲームで行われた美馬と上沢からは、試合後の夜に「おめでとうございます」と電話があった。

 その1週間前の10日にも3投手がそろって先発したが、このときは、美馬が勝利し、上沢と高橋は勝敗がつかなかった。

 「久しぶりに声を聞けてうれしかった。3人とも特徴がそれぞれ違って、すばらしい投手。こんな誕生日プレゼントをいただけるとはね」

 翌日には、それを知った現役の高校生からも「監督ってすごいんですね」と祝福されたという。

 一つ悩みも生まれた。3投手が予定どおりに中6日で登板すれば、次の24日のロッテ―ソフトバンク戦では美馬と高橋が投げ合うことになる。

 持丸監督は「どちらにも勝ってほしいので複雑な気持ち。次はネットもテレビも見ないようにしようかな」と笑った。(山口裕起)