宗教史から日本を見直す 「消滅すべきもの」から一転

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西田健作
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 『近代日本宗教史』(春秋社、全6巻)に『日本宗教史』(吉川弘文館、全6巻)。昨年夏から今年にかけて、日本の宗教の歴史を振り返るシリーズ本の刊行が重なっている。宗教史は、近代史の中でも研究が遅れているとされてきた。なぜ、近年になって関心が高まっているのか。

拡大する写真・図版「近代日本宗教史」(春秋社、全6巻)。第4巻「戦争の時代」は5月、第6巻「模索する現代」は7月に配本予定

本格的な通史は初めて

 『近代日本宗教史』は昨年9月から刊行が始まり、これまでに4冊が発売された。幕末・明治維新期から平成までの宗教史を時代順に取り上げている。編集委員に、島薗進、末木(すえき)文美士(ふみひこ)、大谷栄一、西村明の各氏が名を連ね、約80人の研究者が執筆した。

 東大名誉教授の末木さんは「近代日本宗教史の本格的な通史の刊行は、今回が初めてだと思う」と話す。「日本の近代史は政治史や経済史が中心で、宗教史は周縁の小さな分野と見られてきた。とりわけ、マルクス主義が全盛の時代には、宗教は消滅すべきものだと考えられてきたし、その影響を受けた戦後の知識人にも、近代史のなかで宗教が大きな役割を果たしたと考える人は少なかった」と言う。

拡大する写真・図版末木文美士・東京大学名誉教授

■タブー視された国家神道

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