新型コロナワクチン予約 一部自治体で混乱も

新型コロナウイルス

上田真美 平田瑛美
[PR]

 全国で高齢者を対象に12日から始まった新型コロナウイルスのワクチン接種の予約をめぐり、奈良県内の一部の自治体で混乱が起きている。

 奈良市では、14、15日に施設入所者を除いた75歳以上の計6万2千人に接種券を送付した。その際に同封した「接種のお知らせ」という案内文には、「時期を確認する」「会場を探す」などの手続きの流れが説明されていたが、予約開始日を記載していなかった。

 市新型コロナウイルスワクチン接種推進課によると、市のコールセンターに「いつなのか」などと時期の問い合わせが連日殺到した。17日は1日で550件に達した。コールセンターにつながらず、市保健所や市役所を直接訪れたり、県の副反応の相談ダイヤルや厚生労働省のコールセンターなどに電話したりする人も出ているという。

 予約開始日の未記載の理由については、市内に住民登録がある高齢者で市外の施設などの入所者に接種券を早く送付する必要があったため、予約開始日が決まる前に発送したという。稲田幸嗣課長は「ご心配、ご不安を与えてしまい申し訳ない。開始日は回覧板や町の掲示板なども利用して周知したい」と話す。

 市は22日に予約開始日を決定し、ホームページなどで公表する。

 宇陀市では15日に75~84歳(約4千人)の予約を開始した。だが専用電話の5回線に問い合わせが集中し、つながらない事態が発生。多数が市役所窓口に直接押しかけるなど混乱した。

 市ではコールセンター以外に、健康増進課や保健センターでも電話を受け付け、当初の5回線から12回線に増やした。22日には65~74歳(約6千人)の予約が始まるため、コールセンターの回線もさらに増設する予定。混雑を避けるためにも、市は電話で申し込むよう呼びかけている。

 一方で、予約に向けて準備を順調に進めている自治体もある。

 橿原市は19日、施設入所者以外の85歳以上(約5400人)の予約受け付けを電話やインターネットで始めた。専用のコールセンターで10回線、市役所内で7人、新型コロナウイルスワクチン接種対策室でも4人が対応した。さらに、市役所窓口を訪ねる人が多数いると見越して、待機用のイス30台を用意して備えた。

 19日にはコールセンターの回線が一時的にふさがり、「つながらない」との苦情もあったが、大きな混乱はなく、2千件の予約の受け付けを終えたという。同対策室は「ワクチンの供給量が不確定だが、市民の不安を払拭(ふっしょく)してスムーズに接種できるようにしたい」と話した。(上田真美)

     ◇

 奈良県奈良市は19日、新たに85人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。県内の感染者は延べ5076人。2020年1月下旬に県内で感染者が初めて確認されてから約1年3カ月で5千人を超えた。

 県はまた、奈良東病院(天理市)でこれまでに患者や看護師など計6人の感染が判明し、クラスター(感染者集団)が発生したと発表した。感染者が発生した病棟では新たな入退院を停止し、外来診療は原則休止している。

 感染者の内訳は、奈良市40人▽生駒市12人▽天理市7人▽橿原市大和郡山市各4人▽大和高田市3人▽御所市桜井市各2人▽広陵町、上牧町、葛城市、安堵町、宇陀市、川西町、香芝市、田原本町、王寺町、下市町、京都府各1人。

 19日午前9時時点の病床使用率は73%、このうち重症者に対応する病床の使用率は77%。宿泊療養施設使用率は66%。

 クラスターの発生した県長寿・福祉人材確保対策課と同じフロアで、新たに別の課の職員1人の感染が分かり、同フロアの感染者は計33人になった。クラスターが発生した認知症の高齢者が利用するグループホーム奈良市)では、新たに5人の感染が判明し、同施設での感染者は計24人になった。(平田瑛美)

新型コロナウイルス最新情報

新型コロナウイルス最新情報

最新ニュースや感染状況、地域別ニュース、予防方法などの生活情報はこちらから。[記事一覧へ]