SBGのアーム売却計画 英政府「安全保障の影響調査」

ロンドン=和気真也
[PR]

 英政府は19日、ソフトバンクグループ(SBG)傘下の英半導体設計大手アームを米半導体大手エヌビディアが買収する計画について、安全保障上の課題を調査すると発表した。アームの技術はAI(人工知能)開発などに幅広く使われていることから、安保面にもたらす影響を見極める。

 デジタル担当閣僚のオリバー・ダウデン氏が19日、日本の公正取引委員会にあたる競争・市場庁(CMA)に対し、7月30日までに安保や競争上の影響について報告するように指示した。声明で、「英国の成長著しいテック産業を支援し、海外からの投資を歓迎したい。ただ、このような取引では、安全保障への影響を見極めることが適切だ」と述べた。

 アームは、スマートフォンなどに使われる小型・省電力の半導体設計を得意とし、その設計の技術はAIや車の自動運転技術の開発などでカギを握る。2016年にアームを買収したSBGは昨年9月、エヌビディアに最大400億ドル(約4・3兆円)で売却すると発表。現在は世界各国の競争当局の審査を待っている。エヌビディアはアームの技術をテコにデータセンター向けの中央演算処理装置(CPU)開発に参入する見通しを明らかにしている。

 一方、アームの共同創業者で現在は投資家のハーマン・ハウザー氏は昨年、英BBCに「買収は(アーム本社がある)ケンブリッジと英国、欧州にとっての惨事だ」と訴え、政府に介入を求めていた。(ロンドン=和気真也)