マスクせず乾杯、「朝まで営業」満席 大阪・東京の夜

会員記事新型コロナウイルス

新谷千布美 武田啓亮 長野佑介
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 新型コロナウイルスの感染拡大により、大阪と東京で3度目の「緊急事態宣言」発出が現実味を帯びる中、カギとなるのが人の流れの抑制だ。宣言に準じる「まん延防止等重点措置」は効果があったのか。記者がそれぞれの繁華街を、19日の同時刻に歩いた。

大阪・ミナミ、午後5時

 観光地・道頓堀インバウンド訪日外国人客)であふれた以前のにぎわいには遠く及ばない。かつては大勢の観光客を乗せていた観光船が道頓堀川を通ったが、乗客は数人だった。

 だが「グリコ」の巨大看板近くにかかる戎(えびす)橋より北側に延びる心斎橋筋商店街は、行き交う人々で埋め尽くされていた。飲食店の同僚と買い物に来た大阪市の20代女性は「コロナは『うつるときはうつる』と思うから気にしない」という。

 重点措置により、飲食店などで酒類の提供が終わる午後7時には、近くの飲食店街の看板の電気が少しずつ消え始める。居酒屋の男性店主(49)は「午後7時まででは商売も成り立たず、マスク会食のお願いもしんどい」と漏らした。

同、午後8時

 飲食店は閉店の時間。飲食店街から少し離れると、ビルの階段や公園でたむろする若者らの姿が見られた。中にはマスクをせず、飲酒するグループも。公園で缶ビールを飲んでいた大阪市の会社員男性(30)は「1年前の緊急事態宣言は緊張感があったけど、今はない。また宣言を出しても効果はないのでは。こんな状態で五輪をやっても、大失敗すると思う」。

 一方、キャバクラなどが集まる一角には、この時間でも若者を中心に一定の人出があった。通りに立つ女性らが「飲み放題1500円」と書かれたボードを手に客を呼び込んでいた。

同、午後10時

 この一角では、「無料案内所」を利用する客もまだ見られた。酔客相手にこう声をかける客引きの姿も。「今から、どうですか」(新谷千布美)

東京・歌舞伎町、午後5時

 「歌舞伎町一番街」と記されたアーチをくぐると、営業中の飲食店がほとんど。しかし客の入りは少ない。客引きも手持ちぶさたのようだ。友人2人とカラオケ店から出てきた20代の会社員女性は「マスクをしてるから大丈夫かなって」と、そのままゲームセンターへ。

 映画館に面した広場に向かうと、ここにも若者の姿が。中には路上で抱き合うカップルも。近くの路地裏では、会社員の男性(28)が後輩とマスクを外して缶チューハイで乾杯。「レンタルルームを借りて飲み会をする知人もいる。みんな『自粛』に疲れているよ」

 この街で30年以上続く花屋を営む宅野貴洋(たかひろ)さん(47)は昨春までは24時間営業をしていたが、客足が減り、現在は午後7時に店を閉める。2回の緊急事態宣言、その後の重点措置。「だんだんと人の減り方が鈍くなっている」と感じる。「仮に宣言が出ても、劇的に減ることはないのでは」

同、午後8時

 明かりが少しずつ消え、駅へと向かう人も増え始める。同僚と飲みに来た会社員の女性(47)は「午後8時までにみんなが駆け込むせいで、かえって密になっている気も」と話した。

 午後9時を過ぎても通りを歩くたび、客引きから「まだ居酒屋空いてますよ」と声がかかる。

 路上では若者が複数のグループに分かれ、酒を飲んでいる。都内の男子大学生(21)は「1年も我慢したけれど、コロナは収まらなかった。どうせ我慢しても無駄だと思う気持ちが強いから、みんなここに来るんじゃないかな」。

同、午後10時

 大通りを曲がると「朝まで営業」と書かれた飲食店の看板が目に入る。店内をのぞくと、サラリーマンや若者で満席だった。(武田啓亮)

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