元警官の行為、殺人か職務内か フロイドさん事件評決は

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ニューヨーク=藤原学思
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 米ミネソタ州ミネアポリスで昨年5月、黒人男性のジョージ・フロイドさん(当時46)が亡くなった事件で、殺人などの罪に問われた元警察官、デレク・チョービン被告(45)=懲戒免職=の公判が19日、地元の裁判所で結審した。評決は今週中にも言い渡される。

 事件は現場にいた少女がスマートフォンで撮影し、ソーシャルメディアに投稿。すぐに拡散され、世界中にブラック・ライブズ・マター運動が広がるきっかけとなった。公判の争点はフロイドさんの死因と、被告の行為が警察官としての職務範囲か否かだった。

 検察側は19日の論告で、被告が9分29秒にわたってフロイドさんの首元をひざで地面に押さえつけていた点を強調。フロイドさんの意識がなくなり、救急車の到着後ですらひざを離さなかったとし、被告の行為による窒息が死因だと述べた。

 検察側はまた、地元警察の本部長らが被告の行為を批判する証言をしたことに触れ、「被告は数百時間に及ぶ訓練や状況を収める指針に従わなかった」と指摘した。事件時の映像を再び法廷で流し、「常識で考えてほしい。自分の目で見たことを信じてください」と主張。1時間40分の論告を「これは警察行為でない。殺人だ」と締めくくった。

 一方、弁護側は最終弁論に2時間40分を費やした。焦点を当てたのは、被告が首を圧迫したとされる「9分29秒」の前の現場の状況だった。被告らが偽札の使用容疑がかけられていたフロイドさんをパトカーに乗せるのに苦戦し、「逮捕を避けたい容疑者が身体の異変を訴えることは珍しくない」と主張した。

 弁護側は「合理的な警察官」という言葉をくり返し、「被告は訓練や警察の指針に従った」と強調。「被告が故意に、目的を持って違法な武力行使をしたという証拠は全くない」と述べた。フロイドさんが当時薬物を摂取していたことに言及し、それが亡くなったことに影響した可能性も指摘した。

 12人の陪審員は隔離された場所で評議し、今週中にも有罪か、無罪かの評決を言い渡す。ただ、評決には全員の意見を一致させる必要があり、割れた場合は「評決不能」として裁判をやり直すこともありうる。

 公判は陪審員の選定手続きを…

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