戻れないのを、楽しみたい #コロナを生きる言葉集

新型コロナウイルス

山本悠理
[PR]

 コロナ禍前には戻れないというのを、逆に楽しみたいのよ(歌手、詩人・友川カズキさん)

#コロナを生きる言葉集

 ギターを片手に、うなるように、そしてたたきつけるように叫び歌う――。半世紀におよぶ活動の中で、いつしか友川カズキには「絶叫する哲学者」という異名がついた。

 秋田から集団就職で上京後、日雇い労働の現場や安宿、酒場などを渡り歩いて多くの人生を見つめ、詩人、画家、競輪愛好家といった多彩な顔も持つ。

 70歳を迎えてすぐに、慣れ親しんだ日常は一変した。ライブの開催もままならない。だが「昔に戻りたいなんてアホなこと、思わないようにしてるんです」。昨夏の取材で、歌手はそう語った。人生は最高の遊び場でもある。だからこそ、この「いま」を遊び抜きたいのだと。

 自分では携帯電話も持っていないが、スタッフの力を借りながら初のオンライン配信にも取り組んだ。画面を通じて聞こえる「絶叫」は、ステージ上と比べ、いささかも劣るところがなかった。

 今年に入り、療養のため歌手活動は休止中。けれど「もうちょっと、飛沫(ひまつ)を飛ばしたいのよ」と語る「哲学者」の歩みは、災禍のただ中にある現在、その後の新しい世界に向けて進んでいる。(山本悠理)

     ◇

 誰もが経験したことのない日々が続いています。様々な立場、場面の言葉を集めます。明日に向かうための「#コロナを生きる言葉集」。

新型コロナウイルス最新情報

新型コロナウイルス最新情報

最新ニュースや感染状況、地域別ニュース、予防方法などの生活情報はこちらから。[記事一覧へ]