今こそ誰かの役に立てる時だ #コロナを生きる言葉集

新型コロナウイルス

森直由
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 今こそ誰かの役に立てる時だ(大阪市西成区のホテルサンプラザの角谷正樹さん)

コロナを生きる言葉集

 コロナ禍で空室をどう埋めるか。日雇い労働者の街・あいりん地区にほど近いホテルに勤める角谷さん(47)が、昨秋に社内で提案したのが「1泊限定390円」の特別価格だった。しかし、「赤字になる」と反対された。

 だが、譲れない思いがあった。29歳で入社。フロント係だった当時の客層は、西成に仕事を求めてやってくる労働者が中心だった。話し相手を求める客の身の上話を聞いてきた。

 「50歳で仕事を失い、多額の借金を背負い、家族もバラバラになった」「子どもの頃に親から虐待を受けて施設で育ち、まともな教育を受けられなかった」。彼らは様々な理由で生活に行き詰まり、この街にたどり着いていた。

 提案は通った。「ホテルのことを知ってもらうきっかけにもなる」と、1月中旬から激安プランを開始。宿泊客の女子学生からの感謝の手紙には、こう記されていた。「『困っている人の生活の足しになれば』という一言で、ここまで簡単に出来ることではないと思います」

 2カ月間で約1千人が宿泊した。「大赤字」だったが、角谷さんは「コロナが終息した後、また来てもらえたら」。(森直由)

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 誰もが経験したことのない日々が続いています。様々な立場、場面の言葉を集めます。明日に向かうための「#コロナを生きる言葉集」。

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