銀座の「宇宙船」ビル、住人の退去進む 名建築が岐路に

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斉藤佑介
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 空を飛ぶ宇宙船のように見えて、細胞の集合体のようでもあり、近未来を感じさせる東京・銀座の「中銀(なかぎん)カプセルタワービル」。建築家の故黒川紀章さんが設計し、世界的にも「名建築」として知られるが、敷地の売却が決まり、住人の退去が始まっている。建てられたのは約50年前。老朽化に加え、ここにもコロナ禍の影響が及ぶ。

 約10平方メートルの四角いカプセルに直径130センチの丸い窓。SFの世界観を醸し出す140室が、中銀カプセルタワービル(11階、一部13階建て)に取り付けられている。

 「空飛ぶ円盤に搭乗している気分。外とは別の時間の流れを感じられ、ここにいる時間がすごく好き」

 11階の1部屋を借りる「住人」でDJの声(こえ)さん(41)はそう話す。週に3~4回、アニメ曲のレコードを流し、SNSで配信。部屋には新世紀エヴァンゲリオンの「綾波レイ」の等身大フィギュアに、怪獣ヘドラや宇宙人の大型人形などが並ぶ。「中銀カプセルタワービル」と刺繡(ししゅう)した特注の特攻服も飾ってある。

 出会いは2001年、大阪から上京したばかりの声さんは、首都高で銀座方面に向かう途中、高層ビル群の中で異彩を放つその姿に目がとまった。

 「大きな円窓の四角い部屋が…

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